ブルーオリジン、スペースX、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが国防総省のロケット打ち上げ契約に選ばれる

米国防総省は、ジェフ・ベゾスのブルー・オリジン、イーロン・マスクのスペースX、ボーイングとロッキードのジョイントベンチャーであるユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA) を国家安全保障の宇宙ミッションの競争相手として選び、56億ドルの賞金プログラムの下で最初の選考を行った。

国防総省は、どの企業のロケットが選ばれたかは明らかにしなかったが、7社がこのプログラムに参加するために入札したと述べた。

この3社は、国防総省の有利な国家安全保障宇宙打ち上げフェーズ3調達プログラムの下で選ばれた最初の企業であり、今後約10年間、国の最も機密性の高い軍事衛星や情報衛星を宇宙に打ち上げるために、米国のロケット企業が数十億ドル規模の競争を繰り広げている。

打ち上げ業界の2大巨頭であるスペースX社とULA社は、2020年以降、フェーズ2と呼ばれる先行プログラムの下、国防総省の主要なロケット打ち上げプロバイダーとなっている。このプログラムでは、2027年までULAが国防総省の全ミッションの60％のシェアを獲得し、残りをスペースXが獲得していた。

しかし、プログラムの第3段階では、国防総省は今後10年間の宇宙ミッションのために、より幅広い企業を求めている。

木曜日の発表により、ベゾスのロケット打ち上げ・有人宇宙飛行会社であるブルー・オリジンは、その巨大なニュー・グレン・ロケット（(link)）を市場に投入し、スペースXとの競争力を高めようとしているため、以前から参入を望んでいた競争的な分野に足を踏み入れることになる。

スペースX社の部分再利用ロケット「ファルコン9」が打ち上げ業界を席巻する一方で、同社は次世代ロケット「スターシップ」（(link)）を試験的に打ち上げている。この巨大で完全再利用可能な打ち上げシステムは、人類を宇宙へ送り出し、大量の衛星を軌道に打ち上げるために不可欠だとマスク氏は考えている。

ULAの主力ロケットであるアトラス5が引退間近となる一方で、次世代ロケットであるバルカンがULAの目玉ロケットとなる準備が整っている (link)。バルカンは今年初めて打ち上げられ、2回目のミッション（国防総省のミッションの認定を受けるための重要なステップ）は延期されているが、今年後半には飛ぶ予定だ。

国防総省のプログラムにおけるロケットの役割についてコメントを求めたところ、3社はすぐに回答しなかった。

ペンタゴンのフェーズ3プログラムは、レーン1とレーン2の2つのカテゴリーに分かれている。木曜日の発表のカテゴリーであるレーン1は、より斬新で特殊なロケットを国家安全保障ミッションに使用するもので、要件はそれほど厳しくない。ロケット・ラボ RKLBのような、より多くの企業が今後数年でレーン1に追加されると予想される。

打ち上げ の調達プログラムを管理する米宇宙軍は、ブルーオリジンが国防総省の打ち上げ要件をどのように満たすかの評価を提供するために500万ドルを受け取ったと述べた。SpaceX社とULA社（Space Forceがよく知る企業）はそれぞれ150万ドルを受け取った。

秋に予定されているレーン2では、より多様な国家安全保障ミッションの要件を満たすことができるロケットを保有する3社が選ばれる予定であり、スペースXやULAのような経験豊富な企業が受賞に最も適していることを示している。